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働き方・休み方改善指標 活用事例集(平成28年度) 関係法令等に関するパンフレットなど | 働き方・休み方改善ポータルサイト

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全文

(1)

働き方・休み方改善

取組事例集

●働き方・休み方改善指標による診断ができます

●「働き方改革」に取り組む企業の事例を紹介しています

http://work-holiday.mhlw.go.jp

厚生労働省委託事業

お問合せ先

厚生労働省 労働基準局 労働条件政策課 TEL:03-5253-1111

企画・製作 株式会社三菱総合研究所

発行 2017年3月

働き方・休み方改善ポータルサイト

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http://merumaga.mhlw.go.jp/

【著作権について】

働き方・休み方改善指標活用事例集に関しての著作権は厚生労働省が有しています。 本事例集の内容については、転載・複製を行うことができます。

転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。 なお、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め

厚生労働省 労働基準局 労働条件政策課(03-5253-1111)までご相談ください。

【免責事項】

働き方・休み方改善指標活用事例集

(2)

はじめに……… 1

Ⅰ.本事例集の活用方法について……… 2

Ⅱ.課題と対応方策

 〜意識に問題あり〜……… 4

  

トップの意識

… ……… 4

  

管理職の意識

… ……… 7

  

組織・職場の風土

……… 8

  

一般社員の意識

… ………11

 〜マネジメントに問題あり〜………14

  

体制・組織・仕組み

………14

  

管理職の部下マネジメント

… ………17

 〜仕事特性、仕事のやり方に難あり〜………20

  

仕事の進め方

… ………20

  

仕事量の偏り

… ………29

  

顧客都合の業務が多く、調整が難しい

………37

  

人材不足

… ………39

 〜働き方・休み方の実態把握に問題あり〜………41

  

働き方・休み方の実態・課題の把握

………41

  

社員の意識の把握

………43

Ⅲ.「働き方・休み方改善指標」について… ………45

(3)

適切な労働時間で働き、きちんと休暇を取得することは、仕事に対する社員の意識

やモチベーションを高めるとともに、業務効率の向上にプラスの効果が期待されま

す。社員の能力がより発揮されやすい環境を整備することは、企業全体としての生産

性を向上させ、収益の拡大ひいては企業の成長・発展につなげることができます。

他方、長時間労働や休暇が取れない生活が常態化すれば、メンタルヘルスに影響を

及ぼす可能性が高くなり、生産性は低下します。また、離職リスクの上昇や、企業イ

メージの低下など、さまざまな問題を生じさせることになります。社員のために、そ

して企業経営の観点からも、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進が求められ

ているのです。

本事例集(※)では、「働き方・休み方改善指標」による診断結果をふまえ、企業

に対し実際に提案した「対応方策の例」についてお示ししています。対応方策検討の

際のご参考にぜひご活用ください。

「働き方・休み方改善指標」について、企業の皆様が社員の働き方・休み方の見直

し及び改善に向けた検討を行う際にご活用いただくツールとして開発されたものであ

り、Ⅲ.で紹介しておりますので、こちらを用いて診断を行ってみてください。自社

の労働時間や休暇取得の実態は問題がある水準なのか、あるいは適切な水準なのか、

また改善が求められているとしたらどのような仕組みや制度が足りないのかというこ

とを把握することができます。そして、自社における課題の対応方策について検討し

てみましょう。

※本事例集は、平成27年度に厚生労働省が発行した「働き方・休み方改善指標…活用事例集…Part2」の増 補版です。診断・コンサルティングを実施した企業を20社程度追加し、対応方策の例をさらに充実し ました。

注:本パンフレットにおいて「働き方・休み方の改善」とは、長時間労働等(特に週の労働時間が60時 間以上である雇用者)の労働時間の改善や年次有給休暇の取得促進を言います。

〔検討委員会〕

本事例集の作成にあたっては、以下の学識経験者、企業人事労務担当者、WEBサ

イトの専門家の協力をいただきました。

はじめに

◯佐藤 博樹 氏 中央大学大学院 戦略経営研究科 教授

 油谷百百子 氏 パシフィックコンサルタンツ株式会社 戦略企画統括部 広報室長  小倉 一哉 氏 早稲田大学商学学術院 教授

 小林 千恵 氏 日産自動車株式会社 ダイバーシティディベロップメントオフィス 室長  前川 純一 氏 株式会社情報通信総合研究所 ICT創造研究部 主任研究員 

(4)

Ⅰ.本事例集の活用方法について

~意識に問題あり~

トップの意識

□ トップの長時間労働の削減や休暇の取得に関する意識が低い p.4

管理職の意識

□ 管理職の、自身及び部下に対する長時間労働の削減や休暇の取得 に関する意識が低い

p.7

組織・職場の風土

□ 顧客・先輩等と一緒に仕事をしているため、先に帰りにくい、休 みを取りにくい

□ 長時間労働が評価される組織風土がある(あるいはあると感じて いる)

□ 働き方改革に取り組んできたが、社員の考え方が変わるまでに 至っていない

p.8

p.9

p.10

一般社員の意識

□ 休んでもやることがない、早く帰ってもやることがない □ 長時間労働をいとわない

□ 年次有給休暇前・休暇明けに仕事の負荷が重くなることを嫌がる □ 仕事が趣味になってしまっている

p.11 p.11 p.12 p.12

~マネジメントに問題あり~

体制・組織・仕組み

□ 責任をもって働き方改革を推進する人・組織がない □ 社内のマネジメントの事例が分析、共有されていない □ ノー残業デーを設けているが、機能していない

□ 働き方・休み方の見直しに即した規定(人件費・36協定等)に なっていない

p.14 p.15 p.16 p.16

管理職の

部下マネジメント

□ マネジメントが標準化されていない(属人的な組織運営) p.17

本取組事例集の作成に当たり、約60社に対して働き方・休み方改善指標を用いた診断・コンサル

ティングを実施し、診断等の結果確認された各社の働き方・休み方に関する課題について、以下のよ

うに「意識」「マネジメント」「仕事特性」「実態把握」に分類・整理しています。また、P.4以降に、

診断等で確認された実際の課題と提案された対応方策をお示ししています(課題と対応方策の一覧に

ついてはP.48を参照ください)。

(5)

~仕事特性、仕事のやり方に難あり~

仕事の進め方

□ 業務が標準化されていない □ 業務(時間)の無駄、重複が多い □ アウトプットの品質を過剰に追求する

□ 必要ではないメール、会議が多い、会議が効果的に行われていない □ 優先的な業務の仕分けができていない

□ シフト制のため一日単位の休みが取りづらい □ 営業目標の設定期間が短い

□ IT化(効率化)に対する忌避感がある

□ 事業の進め方が非効率で、働き方に影響を及ぼしている

p.20 p.20 p.23 p.24 p.26 p.26 p.26 p.27 p.27

仕事量の偏り

(部署、時期)

□ 特定の部署・社員に仕事が集中している □ 周囲の社員が業務を代替しにくい □ 部署により繁忙期が異なる

□ 業務の繁閑に対応した労働時間制度を導入していない □ 中間管理職が「プレイングマネージャー」になっている

p.29 p.31 p.33 p.34 p.36

顧客都合の業務が多く、

調整が難しい

□ 顧客の要求に即時に対応する必要があり、業務量をコントロールするのが難しい

p.37

人材不足

□ 全社的に社員が少なく、一人あたりの業務量が多い

□ 一部の部署・店舗の社員が少なく、一人あたりの業務量が多い

p.39 p.40

※…診断・コンサルティングを受けた約60社とは別に、平成27年および平成28年に開催された「働き

方・休み方改革シンポジウム」に登壇いただいた企業の先進事例等を、

 として紹介しています。

参考となる取組事例

~働き方・休み方に関する実態把握に問題あり~

働き方・休み方の

実態・課題の把握

□ 働き方の実態が把握できていない

□ 働き方・休み方に関するデータと業績の関係が不明確

p.41 p.43

(6)

Ⅱ.課題の対応方策

~意識に問題あり~

トップの意識が低い?

トップの長時間労働の削減や休暇の取得に関する意識が低い

長時間労働の削減や休暇の取得促進について、企業としての方針が明確に示さ

れていないため、働き方・休み方改善のための取組が進めづらい。

トップがワーク・ライフ・バランスに向けたメッセージを発信しているが、役

員の意識が変わらず、社内にも浸透していない。

トップが所定外労働削減・年次有給休暇取得促進を

徹底する方針について発信

業務効率化や、ワークスタイル変革推進(所定外労働削減、

年次有給休暇取得促進を含む)を経営課題と認識してもらう

ため、経営計画に盛り込んだうえで、計画策定時と計画期間

中にトップから随時メッセージを発信

全社で一元的な所定外労働削減、年次有給休暇取得促進の取組を進めるためには、これらを経営課題の一つと して位置づけ、会社の経営方針の実現に重要であるという認識及び改善に向けた取組の方針について、経営トッ プの全社に向けた発信が不可欠である。

発信の媒体は社内イントラネットや社内報など様々な媒体を活用し、全社員に届くよう工夫する。

全社で所定外労働削減、年次有給休暇取得促進の取組を行うためには、これらを経営課題の一つとして位置 づけ、その取組の方針について、経営トップによる全社に向けたメッセージの発信が不可欠である。例えば、 中期経営計画など全社の経営計画策定時に、会社の将来に向けた体制強化の一環として、業務効率化、ワーク スタイル変革等も経営計画に明確に盛り込み、一貫した方針の下で取り組むことが効果的である。また、計画 の進捗状況に応じて、追加でトップメッセージを発信することによって社内隅々まで方針や進捗が浸透する。

課題その1

課題その2

対 策

対策その1

経営計画やトップメッセージに具体的な目標数値を掲げる。

目標の設定には、安全衛生委員会等、労使による協議の場を

活用

対策その2

経営計画やトップメッセージに具体的な数値目標を示して、所定外労働時間、年次有給休暇に向けた取組や決 意を明言する。具体的な目標数値の設定には、安全衛生委員会等、労使による協議の場の活用が有効である。

※…現場の業務量が明らかに過多である状況で、トップが闇雲に過大な数値目標を設定して、声を発するだけ では、現場のモチベーションを逆に下げてしまう恐れもあるので、注意が必要。また、「業務の棚卸」等 の仕事の効率化と併せて行うことが望ましい。

方針・目標の明確化 方針・目標の明確化

(7)

策定した所定外労働削減・年次有給休暇の取得促進の方針を、社内のみでなく、社外に向けて公式に発信す る。その際、所定外労働削減・年次有給休暇の取得促進の企業経営上のメリット(例えば人材確保や人材育成 など)を明示する。

社外にも発信することを通じて、所定外労働削減・年次有給休暇の取得促進の方針の役員以下全社員への定 着を図る。また、役員の意識改善に向けて、役員自身の休暇取得促進をあわせて実施する。

所定外労働削減・年次有給休暇の取得促進の方針を社外にも

発信

対策その3

本部、部署等によって事業が異なり、労働時間や年次有給休暇の取得日数など

の数値目標が設定しづらい。

課題その3

トップダウンによるメッセージ発信と、本部、部署ごとの数値目標の設定をリ

ンクさせる

対 策

社員の健康配慮等に対するトップの意識が高く、長時間労働抑制・年次有給休暇の取得促進についても一定のメッ セージ発信がなされており、トップダウンが有効に機能している場合には、数値目標をトップのメッセージに加えるこ とで、さらなる取組推進が可能である。全社統一的な数値目標の設定が困難な場合は、業務の繁閑、仕事の進め方など、 それぞれの事情を踏まえ、部署ごとに目標設定を行う方法も考えられる。

参考となる取組事例

トップメッセージの発信(Happy8活動)

(日産自動車株式会社)

出典:働き方・休み方改革シンポジウム(平成28年) 日産自動車株式会社講演資料

参考となる取組事例

トップからのメッセージ発信および経営層の写真を活用したノー残業デーポスター

(パシフィックコンサルタンツ株式会社)

出典:働き方・休み方改革シンポジウム(平成28年)パシフィックコンサルタンツ株式会社講演資料 ※WLB888プロジェクト(8 for work, 8 for yourself and your family, 8 for your health)

(8)

参考となる取組事例

社員満足主義を経営方針として掲げ、年次有給休暇100%消化、ノー残業を実践

(拓新産業株式会社)

出典:働き方・休み方改革シンポジウム(平成28年)拓新産業株式会社講演資料より作成

事業内容:建設用機材、事務用備品・電気製品、OA機器のレンタル及びリース 社 員 数:約80人

【きっかけ】

❀ 28年前に初めて新卒採用に取り組んだ合同企業説明会でブースに学生が来なかった。建設分野に おいて人材を確保するには、職場環境の改善が必要と考えた。

【取組と工夫】

● 企業の経営方針【社員満足主義】を社員に浸透させる

『一流の中小企業』を目指しており、社員満足主義を経営方針として掲げ、社内にトップからの メッセージを浸透させている。企業の成長よりも、社員の満足を優先し、成長をある程度抑えて いる(利益率は上昇傾向)。中小企業はトップ自らが実践して周知することが重要であり、本気 度を示さないと職場環境は変わらない。

● 顧客を小口分散へ切り替え

特定の顧客に依存すると無理な要求を聞くことにつながりやすいため、大口の上得意を作るので はなく、小口分散の方針に切り替えた。

● 顧客への「残業しない・休日は働かない」方針の説明

「残業はしない・休日は働かない」と取引先に繰り返し粘り強く説明し、お願いした。営業が板 挟みにならないように、顧客への説明は、営業以外の者が、顧客の現場を訪ね、「当社は残業し ないから早めに連絡を下さい」等の守ってほしい事項を伝え、依頼する。

● ゆとりのある社員数の確保とジョブローテーション

ゆとりある社員数を確保することで、労働の質が上がり、会社に対する不満がある社員が多い会 社に比べて生産性が上がる。また、特定の社員にしかできない仕事は、数年かけてその仕事がで きる社員を増やし、誰かが休んでも交替できるようにした。

● 年次有給休暇取得に継続して取り組む

有休消化100%に向けた取組として、1年目に朝礼で3か月おきに、社員に有給休暇を消化するよ うに呼びかけ、2年目から3か月ごとに社員毎の有休消化率を掲示し、取得率の低い社員の名前を 読み上げて声かけを行った。それから20年以上たった今も4か月ごとに消化率を掲示し、継続的 に取得促進を行っている。

【取組の効果】

● 会社説明会には、毎年、学生が多数参加。

● 就業時間内に終えるように、自発的に改善工夫、業務の簡素化を考えるようになる。 ● 人件費が抑えられる(割増賃金等が発生しない)。

(9)

管理職の意識が低い?

管理職の、自身及び部下に対する長時間労働の削減や休暇の取得に関する意

識が低い

部下の働き方・休み方に関するマネジメントに対する管理職の意識、モチベー

ションが低く、働き方・休み方の改善が各職場に浸透しない。

管理職層の年次有給休暇の取得率が総じて低く、女性管理職比率が上がらない。

管理職の人事評価項目にワーク・ライフ・バランス管理に

関する項目を設定する

トップのメッセージを全職員に発信

社員のワーク・ライフ・バランスの実現には、上司のマネジメント能力によるところが大きい。

このため、管理職の人事評価に管理職本人及び部下のワーク・ライフ・バランス管理についての項目を組み 込み、上位層になるにつれ、ワーク・ライフ・バランス管理への評価の重要度を高める。例えば、働き方につ いては部下の労働時間、休み方については部署内の年次有給休暇の取得目標値の達成度等を評価項目に組み 込む。

世代的に年次有給休暇の取得促進に対する意識が低いことが原因の一つとして考えられ、管理職層の「現状 の労働環境(労働時間が長い)のままでの女性職員の活躍」という意識を変えるためにも、トップから、女性 職員の活躍推進にはワーク・ライフ・バランスの実現が不可欠であることを明確にしたメッセージを発信す る。また、メッセージに所定外労働時間や年次有給休暇取得日数に関する数値目標を含むことも検討する。

課題その1

課題その2

対策その1

対 策

トップからのメッセージと合わせて、中間管理職を巻き込

んだ推進体制の構築

トップによるメッセージの発信と合わせて、経営会議や取締役会の下部組織として中間管理職などから構成 される委員会又はワーキングなどを設置する。その場で、より一層働きやすく魅力ある会社にするため、会社 として業務の効率化、長時間労働の削減、年次有給休暇取得促進に取り組むことの必要性、問題点、具体的な 対策の検討を行う。取りまとめた対策は経営会議や取締役会などに報告し、対策推進の検討を経て各職場で実 施し、その達成状況も報告する。また、中間管理職層が主体的に改善に取り組む意識付けを行う。

対策その2

参考となる取組事例

管理職全員と労働者代表が参加する「職場意識改善セミナー」の開催等の職場意識改善の取組

(三洋化学工業株式会社)

出典:働き方・休み方改革シンポジウム(平成28年)三洋化学工業株式会社講演資料

労使懇談会

「職場意識改善セミナー」

ワークショップ

改善促進のルール化

改善促進のルール化

(10)

顧客・先輩等と一緒に仕事をしているため、先に帰りにくい、休みを取りにくい

管理職が長時間労働の傾向がある場合、部下も長時間労働となる傾向にある。

所定外労働の実施が社員各人の判断に任されており、その結果「付き合い残業」

が常態化している。

取引先に派遣されている社員は、取引先の社員が休みをあまり取

得していない中で、休みを取りたいと言いづらい。

管理職の長時間労働を解消する仕組みの導入

管理職による所定外労働の事前承認制を設ける

年次有給休暇取得促進を目的とした取引先(派遣先)との

関係見直し

管理職を対象とした定時退社推奨日、定時退社推奨月間等の設定等、管理職に対して定時退社を促す仕組み を検討する。

所定外労働を行う場合は、管理職への事前申請・承認を要することとし、部下は、終業時刻前に、①業務内 容と残業する理由、②残業予定時間を上司に申請するルールを設ける。

管理職は部下からの所定外労働の申請に基づいて、本当に当日実施することが必要な業務か否かを判断し、 必要と判断した時間についてのみ承認することで、部下の長時間労働の抑制に繋げる。ルールの適用に当たっ ては、申請やチェックに手間がかかると考えるのではなく、長時間労働の抑制のためには、必要でない所定外 労働を無くすための手続きが必要であることを伝える。

課題その1

課題その2

課題その3

対 策

対 策

対 策

取引先

半期に一回、年次有給休暇の取得促進をポスター掲示により周知しているが、

年次有給休暇取得促進の実効性は乏しい。

実効性を高めるポスターの掲示

年次有給休暇の取得促進に向けた啓発ポスターを掲示しているものの、取得率が低調である場合、取得促進 に向けた意識醸成に結びついていないおそれがある。そこで、ポスターに、トップやそれぞれの部署や事業所 で定めた年次有給休暇取得率の目標値を記入するなど、目標値が設定されていることを啓発するようなデザイ ンに改修し、目標値達成に向けた意識の醸成を図る。

課題その4

対 策

組織・職場の風土が悪い?

一定期間ごとに年次有給休暇の取得計画を作成し、取引先(派遣先)に対して自社の年次有給休暇取得促進 に向けた取組を説明し、配慮と理解を求める。

改善促進の制度化

改善促進の制度化

改善促進の制度化

(11)

長時間労働が評価される組織風土がある(あるいはあると感じている)

「成果を出すためには長時間労働も仕方がない」、「長時間労働が評価されるは

ずである」と考えている社員がおり、その結果として、長時間労働が発生して

いる可能性がある。

効率指標としての「時間当たり成果」を人事評価項目に

加える

「時間当たり成果」を人事評価項目に加え、「時間」ではなく「効率性」で評価するように制度設計することで、 社員の行動パターンの変化を促す。

課題その1

対 策

長時間働くことを評価する意識が残っている部署・個人が存在し、効率よく仕

事を行うことを嫌う社員が一部存在する。

現場の仕事の進め方の改革、効率的な業務遂行に向けた

インセンティブの付与

組織業績の評価項目として、売り上げに対する人件費を含むコストを削減して付加価値を高める、又は時間 あたり売上高を高めるといった指標を組み込むことで、部署としての効率的な業務遂行を評価する仕組みを導 入し、部署全体での長時間労働削減の動機付けを行う。

※…評価に当たっては、部署メンバーの賞与へ反映させることなどで、所定外労働の削減により賃金に影響が及 ばない仕組みとすることも有効である。

課題その2

対 策

フレックスタイム制を導入しているが、一部で夜遅くまで勤務する社員も見ら

れ、その結果長時間労働となっている。

朝型勤務を奨励

業務遂行の効率化等の観点から、残業ありきの働き方を見直し、所定労働時間内の勤務を基本とした上で、 夜型の勤務から朝型の勤務を推奨し、長時間労働の改善を図る。

このため、コアタイムの時間帯を一定時間(例:1時間)前倒しし、朝の時間帯に集中して業務を行い、退 社時間を早めることを促す。

課題その3

対 策

時間をかけた働き方を評価する職場風土を変える

×

費やす時間に仕事の質は比例する

   →時間をかけても質が向上しない仕事内容に

   →短時間に質の高い仕事をすることが大事に 

×

長時間労働は頑張っている証拠だ

   →仕事の評価ではかけた時間を考慮すべき

   →生産性=(仕事の質×量)÷労働時間

×

早く仕事を覚えたいなら、寝る時間も惜しんで苦労すべきだ

   →時間をかけることが、自動的に能力開発に結びつくわけではない

   →能力開発に結びつくような仕事の経験の仕方・させ方が重要

×

長時間にわたり職場空間を共有すればチームワークが高まる

   →時間共有以外の方法で情報共有が可能な時代に

出典:働き方・休み方改革シンポジウム(平成28年) 佐藤博樹教授講演資料

コーヒーブレイク

改善促進のルール化

改善促進のルール化

(12)

働き方改革に取り組んできたが、社員の考え方が変わるまでに至っていない

これまで、社内で度々働き方改革を行い、様々な施策を打ってきたが、一過性

の結果にしかならず、「働き方」「休み方」の基本的な考え方を変えるまでには

至っていない(特に管理職層の年次有給休暇取得率は低調)。

意識改善のための【管理職層に対するマネジメント力向上等を目的とした実習

型研修】の実施

年次有給休暇の取得促進のためには、管理職層の意識改革を行うことが必須である。そこで、管理職本人の 休み方改善を推進するための実習型の研修を行う。また、働き方・休み方に課題のある部下の長時間労働の抑 制及び年次有給休暇取得を促進するため、部下の働き方・休み方マネジメント教育・研修を行う。

※人事評価に長時間労働の抑制及び年次有給休暇取得を組み込むこととセットで行うことがより有効である。

課題その1

対 策

ワーク・ライフ・バランスについて、トップメッセージをウェブ社内報で掲載

しているものの、働き方改善への意識の変化が感じられない。

メッセージの発信方法・発信頻度及び内容を改善

トップメッセージの周知が、イントラネットによる情報発信のみでは、他の「任意確認」情報に埋もれてし まい、社員に届いていない可能性がある。

そこで、例えば「働き方・休み方改善推進ポスター」の掲示や、別冊社内報として冊子にするなど、社員に 確実にメッセージが届く方法に変更する。

また、メッセージの内容についても、定量的な目標を掲げる方がメッセージの効果が高いことから、例えば、 トップ自ら所定外労働時間や年次有給休暇の取得日数についての全社的な数値目標を設定し、その目標値をポ スターにして掲示を行う等の対策を実施する。さらに、定量的な目標や取組の進捗等について定期的にトップ メッセージを発信することで浸透を図る。

課題その2

対 策

意識改善

(13)

休んでもやることがない、早く帰ってもやることがない

長時間労働をいとわない

仕事にやりがいを感じており、また退社して特段やりたいことがあるわけでもな

いため、長時間労働や休暇を取得しないことに対して問題意識を持っていない。

社員向けの教育・研修を行う

長時間労働は仕事効率の低下を生み、健康障害リスクをも潜在させる。そこで、長時間労働と健康・仕事効 率の関係、仕事以外の時間の重要性などを社員に認知してもらうため、全社員の受講を義務とする教育・研修 を行う。

課題その1

対策その1

一般社員の意識が低い?

ワーク・ライフ・バランスに対する意識が低く、自分の働き方を改善しようとい

うモチベーションがなかなか働かない。

課題その2

オフの時間確保とそれによる社外の様々な活動への参加推奨

対策その2

定時退社や、年次有給休暇を取得することにより、家族と過ごす時間を大事にし、自己啓発や休養、趣味な ども含めて、人間性を高め、自分の仕事を見つめ直すことを推奨する。必要に応じて、それら活動の情報提供 を行う。併せて、そのオフの活動の際の社員のいきいきした姿、その活動によって得られるものなどの情報に ついて社内報などを通じて提供する。

一般社員の人事評価項目にワーク・ライフ・バランス管理に

関する項目を設定する

対 策

一般社員の人事評価の一部に、自身のワーク・ライフ・バランス管理に関する項目を組み込む。

本人のモチベーション等にも配慮した上で、仕事の量、質、裁量度を考慮した上で所定外労働時間や年次有給 休暇に関する個人目標値を設定し、達成度合いを人事評価にも反映させることで、社員全体のワーク・ライフ・ バランスに関する意識を高める。

また、業務を効率的に遂行することができるように意識づけ、その行動を評価項目として評価することを検 討する。

意識改善

意識改善

(14)

年次有給休暇の計画的付与制度の導入

就業規則を改定し、年次有給休暇の計画的付与を実施する。実施にあたっては、仕事の切れ目などを勘案し、 部署ごとに各個人の希望も考慮する。状況に応じて、交代での休暇取得も検討する。

繁閑のある職場においては、閑散期を対象とした年次有給休暇の計画的付与日を設定し、年次有給休暇の取得 促進を図ることで、取得の進まない社員についても計画的に取得ができる環境をつくる。

対策その2

年次有給休暇取得前・休暇明けに仕事の負荷が重くなることを嫌がる

休暇前・休暇明けに仕事の負荷が重くなることを嫌がり、年次有給休暇取得が進

まない。

年次有給休暇の計画的付与制度の導入

年次有給休暇の計画的付与制度を導入し、例えば、アニバーサリー(メモリアル)休暇を個人別付与の対象、夏季 休暇を部署別等の一斉付与(7月から10月までに5日程度の連続する休暇等)の対象とし、年次有給休暇の取得促進 を図る。

また、社員に対して、年次有給休暇の取得計画を踏まえ、計画的に業務を遂行するよう意識付けを行う。

課題その1

対 策

仕事が趣味になってしまっている

社員の意識が休暇取得よりも仕事に向いており、年次有給休暇を取得す

る意識が低い。

「記念日休暇」、「誕生月休暇」等の

アニバーサリー(メモリアル)休暇を設ける

就業規則に、「記念日休暇」、「誕生月休暇」等のアニバーサリー(メモリアル)休暇を規定し、制度化する。 制度の運用に当たっては、記念日の対象となる社員をきちんと把握したうえで、該当者に希望日をヒアリング し必ず反映する、誕生月が繁忙である場合などは、前後の月への休暇の振替を前もって行うことにより業務へ の影響を最小限に抑えるなど、休暇の利用促進するための柔軟なルールを定め、実行する。

課題その1

対策その1

年次有給休暇の計画的付与制度とは

コーヒーブレイク

年次有給休暇の計画的付与制度とは

年次有給休暇の付与日数から5日を除いた残りの日数については、労使協定を結べば、

計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度。年次有給休暇が取りやすくなります。

例1 年次有給休暇の付与日数が10日の従業員

◎前年度取得されずに次年度に繰り越された日数がある場合には、繰り越し分を含めた付与日数から5日を引いた日数を計画的付与の対象とすることができます。

事業主が計画的に付与できる 従業員が自由に取得できる

例2 年次有給休暇の付与日数が20日の従業員

5

事業主が計画的に付与できる

155

従業員が自由に取得できる

5

年次有給休暇の付与日数から5日を除いた残りの日数については、労使協定を結べば、計画

的に休暇取得日を割り振ることができる制度。年次有給休暇が取りやすくなります。

改善促進の制度化 改善促進の制度化

改善促進の制度化

(15)

年次有給休暇の取得率の低い社員に対して、積極的な取得促進や情報提供が行わ

れていない。

年次有給休暇取得率の低い管理職自身及び取得率の低い部下を持つ管理職に対

して、一定期間ごとにメール配信を行う

(ケース1)

年次有給休暇取得促進に向けての意識を高めるため、経営層から管理職に向けての長時間労働に対する改善 促進メールに加えて、休暇の取得日数が一定水準(目標)を下回る者(管理職も含む)に取得促進メールを送 信する。

(ケース2)

現状でも、年次有給休暇取得促進の一環として、取得率の定期把握、現場に対する現状確認を行っているが、 それにもかかわらず全体の取得率は50%を下回っている。

そこで、事業の年度初めに、トップが年次有給休暇の取得率や取得日数の目標値を定め、管理職自身や部下 が目標を下回っている場合、管理職に対し、トップの代理として、人事から定期的にメール等で注意喚起を行 うことを検討する。

※部単位で有給休暇取得の意識醸成を図るなど、積極的に年次有給休暇の取得を促す。

課題その2

対策その1

全社員の働き方・休み方の状況と自身の状況を比較し、気づかせるルールを運

用する

社内または部署内の年次有給休暇取得日数の下位50人をリストアップする。本人及び上司に対してその事 実を知らせ、改善の必要性を認識してもらう。併せて、部署毎の状況について社内に公表する。その上で、管 理職に対して部下の指導など対策を求める。

対策その2

参考となる取組事例

バースデーホリデーキャンペーン 

(シスコシステムズ合同会社)

出典:働き方・休み方改革シンポジウム(平成28年) シスコシステムズ合同会社講演資料

アニバーサリー(メモリアル)休暇とは

休暇の取得に対する職場の理解を得やすくするため、社員本人の誕生日や結婚記念日、

子供の誕生日などを「アニバーサリー(メモリアル)休暇」とし、年次有給休暇の取得を

促進することができます。こうした誕生日や記念日はあらかじめ日にちが確定しているの

で、年次有給休暇の計画的付与を実施しやすくなっています。

この方法は年次有給休暇付与計画表による個人別付与方式に活用されています。

コーヒーブレイク

情報提供・相談

(16)

~マネジメントに問題あり~

責任をもって働き方改革を推進する人・組織がない

長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を推進する社内体制が明確でなく、

各部署での取組が共有されていない。

働き方・休み方改善の推進に向けた社内体制を構築し、

労使協調による話し合い体制や情報共有の体制を整える

労働時間等設定改善委員会など労働時間や休暇取得に特化して協議する委員会を設置する。あるいは安全衛 生委員会等の既存の委員会において、「働き方・休み方」の改善を安全衛生の向上に資する内容として検討事 項に盛り込み、改善の推進を図る。

特に、複数の部門・店舗がある企業では、好業績を継続し、かつ労働時間や休暇取得状況が優れている部門・ 店舗の働き方・休み方の実態を抽出し、その結果について、情報共有を行い、全社的に展開するための方策検 討を協議事項とするなど、働き方・休み方の改善推進について検討するための社内体制を整備する。その推進 体制として安全衛生委員会等を活用した場合、労使一体となった検討を行うことで、より効果的な取組とする ことができる。

また、働き方・休み方改善の相談先として、相談窓口となる担当者を配置し、社員に対して積極的な利用を 促す。社内の窓口の他、社外の専門家(例えば社会保険労務士)の活用なども検討する。

課題その1

対 策

体制・組織・仕組みに問題あり

労働組合がなく、現場の意見を吸い上げる体制がない。

働き方・休み方改革に向けて従業員代表等との協力推進

体制の整備

長時間労働の抑制及び年次有給休暇取得促進に関して、それらの課題について従業員代表など現場の社員と 定期的な意見交換の場を設けて、取組推進の体制を構築する。例としては、既存の安全衛生委員会における テーマのひとつとして議論する他、働き方・休み方に特化して協議する場として労働時間等設定改善委員会を 設置するなど、今後の方針、改善を進めるフローの検討等具体的な話し合いを労使で進める場を設ける。

課題その2

対 策

改善促進の体制づくり

(17)

参考となる取組事例

「人“財”企業」の実現に向けた取組体制

(日本特殊陶業株式会社)

出典:働き方・休み方改革シンポジウム(平成28年) 日本特殊陶業株式会社講演資料

社内のマネジメントの事例が分析、共有されていない

組織的に顧客を管理している等、業務運営を工夫している部署・事業所の業績が

良い傾向にあることが社内で情報共有されていない。

組織的対応を評価する仕組みを導入

組織的な管理を行うことが高業績に繋がっていることを情報として社内で共有し、さらに、組織的な対応に よる顧客マネジメント等、業務運営の工夫を行っていることを管理職の評価に組み込むなど、マネジメントの 向上を促すための工夫をし、仕事の進め方を改善する。

課題その1

対 策

店舗ごとの売り上げは把握できているが、営業成績の優れた店舗につい

て、成功要因や働き方・休み方の状況等について把握できていない。

店舗ごとの働き方・休み方などの実態把握及び取組の情報

共有

ワーク・ライフ・バランスと営業成績を両立している店舗(=ロールモデル)の働き方・休み方の実態、両 立できている要因を店長から聞き取るなどして把握・整理するとともに、店舗マネジメントの好事例として社 内報・イントラネットなどで情報共有を行い、企業全体として働き方・休み方の改善を推進する。

課題その2

対 策

店舗管理職

改善促進のルール化

(18)

労使で協定している法定外労働時間の上限時間の数値が高い。

設定された労使協議の場において、36協定の上限数値の

引き下げの検討

 36協定で定める法定外労働の上限が高めに設定されている場合、トップによるメッセージ等の取組効果が弱 まってしまう可能性があるため、引き下げに向けた検討を行う。所定外労働の根本原因の分析結果が非常に有用 な情報となるため、それを活用し、所定外労働の削減方法の協議、そしてそれをもとにして、36協定の内容の 見直しを行う。

課題その2

対 策

ノー残業デーを設けているが、機能していない

ノー残業デーを設けているが、運用を現場に任せているため、機能していない

部署・事業所もある。

ノー残業デー実施日に、所定外労働の事前申告・承認制度を

試験的に導入する

 所定外労働を行う際に、部下から上司に対し、事前に「業務内容」及び「所要時間数」の予定を申告させ、 上司が承認を行う制度を、現行のノー残業デー実施日に試験導入する。

 上司は、部下からの申告内容が適正かどうかに加えて、あえてノー残業デーに必ず遂行すべき内容かを精査 し、申告の承認を行う。部下には、「ノー残業デー」であることを改めて意識させる機会となり、上司にとっ ても、部下の現在の業務の状況を定期的に把握する機会となる。

 さらに、上記の取組が定着し、改善の効果が認められれば、対象を全所定労働日に拡大し、所定外労働の常 態化の抑制に繋げる。

課題その1

対 策

働き方・休み方の見直しに即した規定(人件費・36協定等)になっていない

年次有給休暇の取得を想定した単価設定になっていない。

年次有給休暇の取得をふまえた受託業務の単価設定

 受託費用を積算する際の人件費単価について、年次有給休暇取得の目標値に対応した時間数から計算した単 価を基に積算することとし、価格交渉時に顧客の理解を得る努力をする。

課題その1

対 策

改善促進のルール化 改善促進のルール化

(19)

マネジメントが標準化されていない(属人的な組織運営)

組織運営のあり方の標準化がなされていないため、十分なマネジメントがされず、

上長の考え方やワークスタイルなどにより、部下の働き方や休み方が左右される。

中途採用の社員が多く、各職場を統括する管理職のマネジメントに対する意識が

統一されておらず、マネジメントの状況が部署によって異なる。

管理職層のマネジメント力向上を図るための研修

管理職の管理責任の明確化

管理職のマネジメントレベルの平準化を図るため管理職研修を実施する。研修の内容は、人材育成、管理職 自身の働き方・休み方改善の推進、部下の働き方・休み方マネジメントなどとし、管理職層の意識改革を図る。

また、社員の業務の効率化と適正化を図るためのマネジメント力を高める研修を実施する。実施方法につい ては、事例研究、社内における課題と対策の討議など、座学に加えてグループワークなどによる実態に即した 対策を考えて実施できるような研修を行う。

部下の労働時間及び年次有給休暇取得状況の管理は管理職の責務であることを明確にするとともに、管理者 に対する意識づけや管理能力の向上を図るため、必要な研修を行う。研修等によって適切な管理能力を備えた 管理職を配置することにより、各職場の適切な労働環境管理や社員の帰属意識・サービスの質の向上なども期 待される。

課題その1

課題その2

対 策

対 策

管理職による部下のマネジメントに問題あり

管理職の研修は座学のみで、実際に管理職の仕事を現場で見る機会がない。

管理職研修の仕上げとして、現場のベテラン管理職の業務を

1日見学する

課題その3

対 策

見学するにふさわしいベテラン管理職の現場のマネジメントを見学し、その日の終わりに、管理職に質問を して、回答をもらう。その後数日中に、座学の研修内容と共に管理職見学の報告書をまとめ、上長に提出する。 内容が管理職を任せるにふさわしい報告になっているか、座学の研修の内容は知識として備わっているか等を チェックして、最終的に管理職として任命するなど、マネジメントレベルが一定のラインを超えるためのハー ドルを設ける。

若手・中堅社員の育成過程において、必要以上に労働時間が長くな

りがちである。

育成時間の明確化

管理職は部下に対して、育成のために必要な労働時間と、他の労働時間とを識別して必要な業務を明確にする。

課題その4

対 策

意識改善

意識改善

意識改善

仕事の進め方改善

(20)

参考となる取組事例

管理職のマネジメント意識改善のための取組

(三洋化学工業株式会社)

出典:働き方・休み方改革シンポジウム(平成28年) 三洋化学工業株式会社講演資料

参考となる取組事例

マネジメントポータルサイトの整備

(シスコシステムズ合同会社)

(21)

管理職向け研修の項目案

コーヒーブレイク

1.中間管理職の役割

(1)上下のつなぎ役としての役割について

(2)トップマネージメントにコミットする「戦略志向型のマネージャー」としての役割

2.業績評価の視点

(1)良い仕事とは

(2)会社のビジョン、バリューとの調和

(3)顧客満足に寄与する行動

(4)本人の動機・特性との整合性

(5)結果だけを見るのか、プロセスも評価をするか-プロセスを評価する際の留意点

(6)成果指向型"組織風土づくり

(7)企業の強みは協働力・組織力

3.ワーク・ライフ・バランス

(1)労働時間と有給休暇取得の実態

(2)ワーク・ライフ・バランスの企業経営上の意義

(3)働き方に関する法制度

(4)働く環境とワーク・ライフ・バランス-働き方の改革

(5)多様な働き方選択のメニュー

4.マネジメントのあるべき姿

(チームメンバーの能力の洗い出しと仕事の入り具合の把握を踏まえた仕事の配分、進捗

管理の徹底が重要)

(1)マネージャーに求められる役割とマネジメント能力

(2)マネジメント能力:演習グループワークなど

 …①業務の棚卸と配分、②タイムマネジメント、③問題解決力の向上、④マネジメント

の進め方

(3)チームの活性化:演習グループワークなど

(22)

~仕事特性、仕事のやり方に難あり~

業務が標準化されていない

業務(時間)の無駄、重複が多い

繁忙期に外部人材を雇用しても業務内容の説明に労力がかかり、うまく活用で

きない。

決裁等に手間をかけすぎる部分がある。

仕事の棚卸及び手順書の作成等の業務の標準化

組織運営・決裁権限の見直し

業務の棚卸を行い、さらに業務手順書を作成する。

また、作成した業務手順書については、繁忙期等における新規人材の教育に活用し、働き方・休み方の改善 促進に役立てる。

現在の組織運営のあり方を再度検討し、特に決裁権限について企業経営上の観点、リスク対策、事業運営の 効率性の観点などから簡素化を図り、業務の効率化につなげる。

課題その1

課題その1

対 策

対 策

仕事の進め方

他の社員が業務を代替しにくく、休暇中に他の社員が顧客等をフォローできる

体制が構築されていない。

作業手順のマニュアル化・形式知化およびメンター制度の

導入

課題その2

対 策

棚卸によって業務量の調整を図り、次にマニュアル化の推進によってスキルやノウハウの平準化・作業の標 準化を図る。また、責任感のある社員・能力の高い社員をメンターとするメンター制度を設け、その社員には 管理職候補としてメンターに必要な能力をはじめ、マネジメントのための能力の伸長も図る。また、他の社員 にとっては、壁にぶつかった時に相談できる先輩がいることで、日ごろの悩み相談や、業務上における壁を越 える為のアドバイスを得やすく、能力の伸長も図りやすい。

仕事の進め方改善

(23)

退職や人事異動、育児休暇取得時など、業務の引継ぎに時間をとられ、負荷が

かかることが残業の増加要因の一つとなっている。

人事異動や退職、育児休暇等に伴う業務引継ぎの効率化

異動や退職、育児休暇等の際に、引継書を作成して上司が承認し、業務の引継ぎが行われているが、さらな る効率化に向けて、実施方法の改善を図る。

引継書は、業務全体が俯瞰できるものとし、業務の流れ、社内外の関係者とのつながり等を明示する。資料 については、資料一覧と格納先をリストアップし整理しておく。

引継書の作成については、過去に作成したものをベースに、半期や四半期、プロジェクトの節目などに、引 継書の改訂を行っておくことにより、引継ぎ時の負担軽減を図る。

課題その2

対 策

日中は社外で業務を行い、事務処理等のために会社に戻る必要が

ある。

工事系業務に従事している社員は、日中は現場、夕方から事務処

理を行うため、特に長時間労働が常態化している。

在宅勤務制度の導入

事務処理業務の効率化

在宅勤務制度は、働き方の選択肢を増やすことにつながり、効率的な業務遂行にも資するものであることか ら、積極的に導入を推進する。

まずは試行的に実施し、その結果を踏まえて改善点など盛り込んだ上で正式な制度として導入する。また、 導入に当たり、自宅や外出先等からでも労働時間の自己申告を可能とすることで、労働時間の適正な把握を実 施する。

現場業務の終了後に実施する事務処理業務について、文書作成の内容を必要最小限に絞ることや、チェック リスト方式を採用するなど業務時間の削減につながる手法の導入を検討する。その上で、帰社後の事務処理時 間を、例えば1時間以内に終えるなどのルールを設定し徹底することで、所定外労働の抑制に向けた工夫を 行う。

課題その3

課題その4

対策その1

対 策

事務処理の締切の設定の見直し

営業の事務処理について、営業担当者が顧客先から会社に戻った後にデータ入力の業務が発生することが、 所定外労働の発生要因となっている。所定外労働にならないようにするためには、データ入力の要否を検討し、 データ入力が必須である場合は、入力処理を翌日朝に持ち越すことも含めて検討する必要がある。ただし、翌 日の営業活動を始める際の検討に必要な情報である場合には、多様な労働時間の仕組みを活用して、朝の出勤 時間を遅くしたシフトを採用することなどにより、所定外労働が発生しないように工夫する。この場合には労 働組合又は労働者代表との間で十分意見交換を行った上で導入する。

対策その2

仕事の進め方改善

仕事の進め方改善 改善促進の制度化

改善促進のルール化

(24)

参考となる取組事例

こだわる業務改革

(株式会社西京銀行)

出典:働き方・休み方改革シンポジウム(平成28年) 株式会社西京銀行講演資料

(25)

アウトプットの品質を過剰に追求する

職人気質で効率よく仕事を行うことがあまり得意ではなく、時間効率性の意識

の低い社員が多い。

現場の仕事の進め方の改革、効率的な業務遂行に向けた

インセンティブ付与

部署としての効率的な業務遂行を評価する仕組みを組織業績評価指標として設定し、部署メンバーへの一時 金(ボーナス)などに反映することにより、部署全体での長時間労働抑制の動機付けを行う。例えば、売上に 対する人件費を含むコストの削減率、時間あたり売上高等とする。

課題その1

対 策

企画業務に関しては、成果物の質の水準が明確でないものもあり、

残業を増やす要因となっている。

仕事の完成・成果の基準の明確化

課題その2

対 策

必要最小限の業務時間で一定の品質を達成するためには、仕事の完成・成果の基準を明確に示すことが必要 不可欠である。

社内向け説明資料について、必要以上に質の高い資料を作成するために、手間

がかかっている。

社内資料の内容について再検討を行い、資料内容の簡素化

及び枚数上限設定

社内資料の内容について、検討を行い、簡素化・標準化や資料枚数の上限の設定について検討する。検討に あたっては、各部署から構成される社内横断的な委員会を作り、各部署から資料の簡素化等に対する意見を収 集し、案を取りまとめる。

さらに、取りまとめた案をもとに、担当役員も含め、各資料の関係者との調整を行う。関係者の了解を得る ため、必要に応じて従来通りの資料作成にかかるコストと簡素化を行った場合の資料作成コストを計算し、費 用対効果の数値を提示して理解を求める。

課題その3

対 策

改善促進の制度化

仕事の進め方改善

企画職

(26)

メールに関わる時間の削減・効率化と

メール数の削減

メールの受信・送信を削減するため、例えば、メールの転送に当たっては、転送先を必要最小限とするよう 検討することや、メールの送信に当たっては、TOはメールへの返信をしてほしい相手、CCはそのやり取りが あったことを知っておくべき相手を入れることを改めて理解させ、宛先を必要最小限にすること等のメールの 利用ルールを設定し、徹底を図る。

対 策

必要ではないメール、会議が多い、会議が効果的に行われていない

長時間働くことを良しとする文化はないが、ミーティングやメールが多い(減

らない)ことがネックとなっている。

会議の効率化

会議を開かないという選択肢の検討

会議の効率化に関しては、既に経営陣の発信による「出席している会議に完全に集中(メールや電話は禁止 等)」、「貴重な時間を最大限有効に活用するように会議を実施(明確な意思決定を行う、会議に必要な人のみ が出席等)」等の取組を行っており、この徹底を促進する。これに加えて、決められた会議時間内に決定をする、 会議に提出する資料枚数の上限を定める等具体的なルールを設定する。

なお、会議の開催が定時以降になる場合は、担当役員の承認を得ることとし、会議により所定外労働が発生 することを防ぐ。

これまで会議を行ってきた議事事項について、決定権限を委譲すること等により、会議の開催を省略するこ とが可能かどうかを検討する。

課題その1

対 策

対 策

会議で意見が出ず、会議の機能を果たしていない。

課題その2

会議の活性化

会議・ミーティングの本質的な意義は、人が集まって議論することによって、新たな発想を生み出したり、 必要な意思決定を行うところにある。その目的を達成するためには、会議の前に、その会議の目的、議題、決 めるべきことなどを明確にして会議参加者に伝える。また、参加者は、問題意識を持って会議に参加する。

対 策

仕事の進め方改善 仕事の進め方改善

仕事の進め方改善

(27)

出典:働き方・休み方改革シンポジウム(平成28年) 日産自動車株式会社講演資料

参考となる取組事例

成果を出す在宅勤務が可能な職場環境の6要素

(日産自動車株式会社)

テレワークについて

テレワークとは、「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な

働き方」です。

インターネットなどのICTを利用することで、本来勤務する場所から離れ、自宅などで

仕事をすることができます。さまざまな場所での柔軟な働き方は、「従業員の育児や介護に

よる離職を防ぐことができる」「遠隔地の優秀な人材を雇用することができる」「災害時に

事業が継続できる」など、多くのメリットをもたらします。…

テレワークは、育児・介護等を行う一部の従業員のみに対する福利厚生策ではなく、会

社全体の働き方を改革するための施策の1つとして期待されています。…

テレワークは、「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務(施設利用型勤

務)」の3つのテレワークの形態の総称です。いずれの場合も、テレワークは、所属するオ

フィスから離れて仕事を行うため、始業・終業時刻など労働時間の管理方法などについて、

適正なルールづくりをすることが重要です。…

(28)

優先的な業務の仕分けができていない

業務を受注する段階で、厳密な採算性の確保と受注判断を行っているものの、

十分ではないため、より付加価値の高い業務に人的資源投入を集中させること

ができていない。

受託する業務の採算性や特性による選別受注

発注される業務について、採算性や納期などの特性を把握し、一定の基準の下に選別受注を行う。これによ り、採算性の低い短期業務の受注に伴う所定外労働の抑制につなげる。

具体的には、業務に係る人件費の原価計算の際に、所定外労働を行わず、かつ年次有給休暇を完全に取得し た場合の人件費や納期を計算し、それらを基に見積りを行い、見積りと発注条件とのギャップを一つの判断材 料とする。

課題その1

対 策

シフト制のため一日単位の休みが取りづらい

製造現場においてはチームでシフトを組んで稼動しているため、

(一日単位の)年次有給休暇が取りづらい。

時間単位の年次有給休暇の導入

年次有給休暇を取得しにくい状況を改善するため、時間単位での年次有給休暇の付与制度を設け、1日フルに 休めなくても、必要な時間だけ年次有給休暇取得を可能にする。なお、時間単位の年次有給休暇取得制度導入に あたっては、使用者と労働組合(労働組合がない場合は過半数代表者)との間で労使協定を結ぶ必要がある。

※この協定では、次の事項を定めることが必要。…

〔①対象労働者の範囲、②取得可能な時間単位年休の日数(年5日以内。前年度からの繰り越し分がある場合は、繰り越し 分を含めて5日以内)、③取得可能な時間単位年休1日の時間数(1日の年次有給休暇が何時間分の時間単位年休に相当するか。 1時間に満たない端数は1時間単位に繰り上げる)、④1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数(2時間単位、4時間 単位等の整数の時間単位で。ただし、1日の所定労働時間数と同じ、又はこれを上回ることはできない)〕

課題その1

対 策

営業目標の設定期間が短い

営業目標の設定期間(個人×日単位、週単位)が短いため、休み

が取りづらい。

営業目標設定方法の変更(月間目標に変更)

営業目標の設定が週単位、日単位まで落とされており、弾力的な働き方・休み方の実現を妨げている。最終 的には月末で締めて前月1カ月間の成約件数等に応じて当該月の給与の業績部分が決まるため、月間目標を明 確に公式の目標と位置づけ、週単位の目標は無くし、日単位の目標は、あくまで目安として運用する。また、 月間の目標に関しても、繁忙期と閑散期で差を付けて設定する。

課題その1

対 策

仕事の進め方改善

仕事の進め方改善

仕事の進め方改善

現場職

参照

関連したドキュメント

[r]

(実 績) ・協力企業との情報共有 8/10安全推進協議会開催:災害事例等の再発防止対策の周知等

(※1) 「社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会報告書」 (平成 29(2017)年 12 月 15 日)参照。.. (※2)

非正社員の正社員化については、 いずれの就業形態でも 「考えていない」 とする事業所が最も多い。 一 方、 「契約社員」

育児・介護休業等による正社

契約社員 臨時的雇用者 短時間パート その他パート 出向社員 派遣労働者 1.

第9図 非正社員を活用している理由

が66.3%、 短時間パートでは 「1日・週の仕事の繁閑に対応するため」 が35.4%、 その他パートでは 「人 件費削減のため」 が33.9%、